リウマチ治療について
リウマチ科
関節リウマチは発症してから2~3年の間に最も骨・関節の破壊が進行するとされ早期の診断と治療が重要です。なるべく早く、しっかりと関節破壊や手足の機能低下(不自由さ)を抑える治療を選択します。また定期的に診察して関節の炎症を抑えるように薬を調整し、同時に合併症や薬の副作用のチェックを行います。
関節リウマチ
関節は関節包という袋に包まれていて、その袋の内側に滑膜という組織があります。関節リウマチは関節の滑膜が炎症で異常に増殖し、腫れや痛みがでる病気です。進行すると関節の構造が徐々に破壊されていき、関節の変形を生じ、日常生活動作に支障をきたしてしまいます。原因として患者さんの免疫機能(病原体から体を守るシステム)の異常が考えられていますが、はっきりとわかっていません。
関節リウマチが発症するピーク年齢は30~50歳代で、男性より女性の方が約4倍多く発症します。また60歳以降に発症する方も少なくありません。
関節リウマチの症状
初期には関節痛以外に微熱、倦怠感、食欲不振などの全身症状を伴うことがあります。
特徴的な症状は起床時の手足のこわばり、左右対称に起こる関節の痛みと腫れです。特に手指・手関節・肘・膝・足関節などで生じます。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
関節リウマチの診断
関節リウマチは初期には診断が難しく、経過観察しながら何度か検査を行うこともあります。問診、診察、検査結果から他の病気と鑑別し診断に至ります。
関節リウマチの診断に必要な項目
- 1つ以上の関節の腫れがある(触診、超音波、MRI検査のいずれか)
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- 腫れまたは痛みのある関節の数(診察)
- 血液検査値異常の有無(リウマトイド因子、抗CCP抗体)
- 関節炎の持続期間(6週間未満/6週間以上)
- 炎症反応の有無(CRP、ESR)
2010 ACR/EULAR 関節リウマチ分類基準より
リウマチ治療の3本柱
- 薬物療法 →
- 関節の炎症と痛みを薬で抑えていきます。抗リウマチ薬、生物学的製剤、消炎鎮痛薬、ステロイドなどがあります。
- リハビリテーション療法 →
- 患部を温め、疼痛のない範囲で動かして、こわばりや痛みを緩和します。
- 手術療法 →
- 痛み、機能障害の程度で考慮致します。手術が必要な場合には専門病院にご紹介いたします。
関節リウマチの治療目標
完全に腫れや痛みがない状態(『寛解 [かんかい] 』と呼びます)を目指します。さらに治療薬を中止しても関節炎が出てこない状態を維持することで関節破壊や変形を防止します。
しかし全身状態や薬のリスクを考慮して、腫れや痛みを緩和し日常生活が送れることを目指す場合や、関節破壊や変形による痛み・機能低下を回復させるために手術をお勧めする場合もあります。
目標は個々の症例で異なりますが、相談しながら一緒に治していきましょう。